12月9日に、ワールドゴールドカウンシル(World Gold Council)が発表したレポートによると、
昨年2019年12月から2020年10月にかけて、
11月間連続で世界の金ETF残高は増加していましたが、
11月で大きな資金流出となりました。
そのボリュームは107トン分の金。
10月末時点で3900トンほど金ETF残高がありましたから、
約2.5%という、かなりの流出量であることがわかります。
ここ5年(60ヶ月)で2番目に大きな流出の月です。
(2003年の金ETF組成以来では過去5番目に大きな流出月です)
実は過去5年で1番大きな流出のあったのが2016年11月でした。
気づかれた方もいると思いますが、
どうも11月は金ETFが売られやすいようです。
それ以外の年も11月では、
金ETFが売却されているか、
流入の方が多かったとしても少し、という年が多いです。
11月に金ETFからの流出が多いのはなぜか?
日本では3月を決算期としている会社が多いですが、
米国は12月に決算を迎える会社やファンドが多いです。
決算前はその年の成績をプラスで終わらせたいため、
評価額で利益の出ている資産を売却することが多いです。
今年は特に金価格が大きく上昇したため、
金の売却が11月に大量に出たのではないかと思われます。
また、今年の11月の流出に限っていえば、
流出原因の1つとしてビットコインに資金が流れた可能性も考えられています。
2020年3月に1ビットコインが5,000ドル台だったものが、
今日現在でなんと33,000ドル台と、恐ろしいほどの上昇を見せています。
そしてビットコイン価格の上昇は10月から加速を見せていました。
金は今年大きな上昇を見せたとはいえ、30%ほどの上昇です。
しかしビットコインは600%の上昇です。
ビットコインの上昇に乗り遅れまいと、資金が移転するのも無理はありません。
今後はビットコインは金を脅かす存在となるかもしれませんね。
とはいえ、
2020年11月末時点での年間の金ETFの流入量は916トンのプラスですから、
金に対する注目が2020年で一気に高まったことがわかります。