これからの金投資の主役!?金の「ETF」についてわかりやすく解説!

金のETF(上場投資信託)について


金投資をしていく上で、絶対に外せないのがETFです。

金投資というと、多くの人は純金積立をイメージする人が多いと思います。
現に私も純金積立をやっています。

しかし、これからの金への投資は、純金積立ではなく、ETFが主体となっていくでしょう。

実際、新型コロナ以降、金への投資がめちゃくちゃ増えていますが、
ヘッジファンドや年金基金が何の金商品を購入しているかというとETFです。


今回はこれから金投資を考えている初心者のために、
金投資の主役となるであろう金ETFについて、わかりやすく解説していきたいと思います。

1. そもそもETFってなに?


ETF(Exchange Traded Fund)は日本語で上場投資信託といいます。

投資信託という言葉を聞いたことはある方も多いと思います。
投資信託とは、簡単にいうと、投資をプロに任せて、資産の価値を上げてもらったり、投資からもたらされた分配金をもらったりする金融商品です。

この投資のプロをファンドマネージャーといいますが、
ファンドマネージャーは株、債券、通貨、不動産、コモディティ(実物商品)などに投資をします。

投資信託は証券会社や銀行、ゆうちょ、保険会社などで購入することができますが、
今回のテーマであるETFは、証券取引所に上場されている投資信託なので、
株と同じように、証券会社を通じて売買します

投資信託は購入注文を出したら、基本次の日に購入されますが、
ETFは証券取引所が開いている時間(日本は09:00 – 15:00)であれば、値動きを見ながら何度でも売買ができます。

2. 金ETFの歴史と仕組み


金のETFがスタートしたのは米国です。
2004年11月にニューヨーク証券取引所に上場したSPDR ゴールド・シェア(GLD)が金のETFのスタートです。

このETFの特徴は、ファンドが購入した金の現物を直接購入し、カストディアンと呼ばれる財産を管理・保管する金融機関が預かっているという仕組みを取っていることです。

つまり、SPDR ゴールド・シェアは金現物の裏付けがあるということです。

預かっているカストディアンはHSBC銀行で、ロンドンの保管金庫に金が保管されています。

実際、このETFのサイトを見てみると、
購入して預かっている金のインゴットのリストがずらーーーーっと細かく掲載されています。
(あまりに多すぎてリストを全部見るのは不可能です)

このETFは日本の東京証券取引所にも2008年6月に上場しました。
それ以外にもメキシコ、香港、シンガポール市場でも上場しています。

この金のETFができたことによって、世界中の人が金に投資することが非常に容易になり、
金への投資が飛躍的に増えるきっかけとなりました。

下記のグラフは金のETFがスタートしてからの金ETFの残高推移です。

金のETF残高
(World Gold Councilのページより引用)


2012年ごろにピークをつけ、
その後、残高は落ちていましたが、
2016年ごろから残高が戻りはじめ、
2020年に一気に増えているのがわかります。
現在の残高は約20兆円規模となっています。


日本を代表する金ETFは、純金上場信託(現物国内保管型)(証券コード:1540)です。
こちらは2010年6月に上場しました。
運用会社は三菱商事で、管理・保管をしているのが三菱UFJ信託銀行となっており、三菱グループで運営をしているので安心感があります。


ただし、すべての金ETFが金現物の裏付けがあるわけではありません
金先物など別の商品価格に連動した金ETFもありますので、
選ぶときは注意が必要です。

3. 金のETFのメリットとデメリット


では、金地金や純金積立とはどう違うのでしょうか?
私が考える金ETFのメリット・デメリットはこちらです。

<メリット>
・手数料や管理費用が安い
・売買が株取引と同じで簡単
・インゴットや金貨と比べて少額から購入できる

<デメリット>
・管理費用がかかる
・積立ができない

金ETFのメリットは、圧倒的な売買手数料が安さです

ETFは株と同じなので、売買手数料は株取引に準じます。
ネット証券のSBI証券や楽天証券で購入すれば、
売買手数料は安くて数十円、高くても数百円です。

しかも、NISA口座で取引をすれば、売買手数料は0円になる証券会社もあります。
ちなみに私はSBI証券を使っています。


田中貴金属の純金積立でも安くて1.5%の売買手数料がかかりますし、
金地金は小さいものを購入しようとしたら、スモールバーチャージという、とてつもない手数料が発生します。

それに比べたら金ETFの売買手数料は本当に安いです。


また、金ETFは少量から購入しやすいのも初心者にはありがたいです。


日本で株を購入するときは100株単位が基本になります。
たとえば、1株6,000円の株を購入しようと思ったら、
6,000円で購入できるわけではなく、
最低600,000円が必要になります。

ところが、ETFは株取引と基本的には同じあるものの、
基本的には1株単位で購入できます
(中には10株単位からなどもあります)

先ほど紹介した純金上場信託(1540)は、今日現在で1株6,070円なので、
6,070円+売買手数料 で購入ができます。



逆に、金ETFのデメリットは、信託報酬という管理費用がかかることです。

株や金の現物は持っているだけでは費用は発生しませんが、
投資信託やETFは費用が管理費用が発生します。

純金上場信託(1540)で、年0.4%(税抜)となっていますので、
10万円分のETFを購入したら、毎年400円がETFの資産から抜かれているということになります。

0.4%程度だと安く感じるかもしれませんが、
「塵も積もれば山となる」です。

ETFを選ぶときは信託報酬は必ずチェックするようにして、
できるかぎり信託報酬の安いものを選ぶべきです




金ETFは初心者たちに対する金投資への裾野を広げましたが、
今このETFを大量に購入しているのは年金基金やヘッジファンドです。

年金基金は一度購入するとあまり売却には動きませんが、
ヘッジファンドは決算期もありますし、経済やマーケット次第で一気に売却することもあります。

そうなると株と同じように金ETFも当然値下がりします。

これはETFのデメリットととも考えられますが、
ETF価格の下落と同時に、金現物価格も金先物価格もほぼ同時に値下がりしますので、
私はこれをETFのデメリットとは捉えていません。

4. どの金ETFを選ぶべきか?


まず金ETFの購入にあたって検討すべきことの一つが、
円建て、それともドル建て、どちらの金ETFを購入すべきか
です。

円建ての金ETFだと、日本国内の金価格に連動し、
ドル建ての金ETFだと、国際金価格に連動します。

どちらを選ぶかはその人の投資戦略や現在のポートフォリオに寄るので、
一概にどちらがいいとは言えません。

私の考えでは、
日本人の多くは日本円建ての通貨や株で持っている人が多いのです。
特にこれから金投資を始めようとする人は、
資産の多くを日本円で持っている人が多いと思いますので、
そういう人はドル建ての金ETFの方が私は良いと思います

要は、国・通貨の分散も一緒に図るということです。


そしてどちらを選ぶかを決めたら、
次は具体的な金ETFの銘柄です。

選定のポイントは、

①信託報酬の低さ
②純資産総額の多さ

この2つで決めれば良いと思います。

①は当然投資効率を高めるためです。

②は、2つ理由があります。
1つは、ETFは上場している投資信託のため、
上場基準を見たない規模になると、上場廃止となることがあるからです。

もう1つの理由が、株と同じように売買されるという点です。
株取引をしたことがある方はわかると思いますが、
取引されている株数が多いと、
買いたい価格で買いやすかったり、
売りたい価格で売りやすかったりするのですが、
株数が小さいと、
買いたい価格よりも少し高い価格で指値を入れたり、
逆に売りたい価格で売りにくくなったりします。
(板が薄いといいます)

つまり、結果的に売買時に余計な費用がかかってしまうのと同じことになります。

ですので、純資産総額が大きく、板の厚いETFの方が良いわけです。


以上が金ETFの選定方法ですが、
実は金のETFはそれほど数がありません・・。
選ぶのに迷うことはほとんどないと思います。


ということで、

日本円建ての金ETFなら・・

純金上場信託(1540)

米ドル建ての金ETFなら・・

iシェアーズ・ゴールドトラスト (IAU)

をオススメします。


日本で購入できる金のETFなどは詳細を別のページで紹介したいと思います。

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