先日、TBSの「あさチャン」を見ていたら、
今、日本のゴールドショップで金の売買が盛んになっているというニュースを取り上げていました。
生活の足しに、昔購入した金の記念メダルを売却している人もいたり、
逆に、これからもっと上がると思って、金を買いにくる人もいました。
その中で、金の100gバーと50gバーを何個か購入している人がいました。
私も欲しいなあ〜と指を加えて見ていましたが(笑)、
これから金のバーを購入したいなあと考えている人のために、
今日は金のバーについての超基礎からお伝えします。
1. 金地金(バー)にもブランドがある
金は高額です。
高額なだけに、ニセモノや質の悪いものが出回ることがあります。
ニセモノを掴ませられたらたまったものじゃないですよね。
そこで、
この会社が作った金塊は安心だよ!
という認定をしてくれている団体があります。
それが、イギリス・ロンドンに拠点を置くLBMA(London Bullion Market Association:ロンドン貴金属市場協会)という団体です。
歴史的にイギリス・ロンドンは金取引の中心地であり、
毎日の金の現物価格(スポット価格)を定めているのも、このLBMAです。
LBMAでは、ちゃんとした金地金を作ってくれる精錬業者さんを「グッドデリバリー(Good Delivery)」と認定していて、
その業者さんのブランドロゴがついた金地金は「グッドデリバリーバー(Good Delivery Bar)」と呼ばれ、これなら基本的に安心だとされています。
今日見たところでは、
日本のブランドは下記の11の業者さんが認定されています。
- アサヒプリテック
- 石福金属興業
- 日本の造幣局
- JX金属
- 松田産業
- 三菱マテリアル
- 三井金属
- 日本マテリアル
- 住友金属鉱山
- 田中貴金属工業
- 徳力本店
昔は古河メタルリソースやDOWAメタルマインなど、
他にもブランドがありましたが、
おそらくLBMAの認定を取りやめてしまったか、
企業の合併などによってGood Deliveryの数が減っているみたいですね。
ですので、上記にない以前のブランドのバーが市場には存在しています。
なお、Good Delivery Barを作っている会社は、LBMAのホームページで検索することができます。
http://www.lbma.org.uk/good-delivery-list
2. 金のバーにある表記(刻印)について
Good Delivery に認定されている金のバーには、決まった表記が彫られています。
この商標(国際ブランド)にGood Deliveryの業者さんのロゴが彫られているものが安心できるということです。
精錬分析者マークは物によってはないものがあります。
また、製造番号によって、いつ頃作られたものかを辿ることができます。
ちなみに写真のロゴは、スイスのアルゴー・ヘレウス社(ARGOR HERAEUS)。
この写真は250gのバーとなっていますが、
バーにはいくつか種類があります。
3. バーの種類は10種類以上
「銀行の地下金庫に大量に積まれている金塊をどのように強奪するか?」
なんていうシーンが映画でよく出てきますが、
あの金塊がまさに金地金で、
金地金はインゴット(ingot)とも呼ばれます。
映画でよく出てくるのは、
12.5kg(400トロイオンス)という重量級の金塊で、ラージバーと呼ばれます。
通常出回るものでありませんし、店頭で気軽に購入できるものではありません。
ラージバー1つを今日現在の価格にすると、なんと9,300万円!
ラージバー1つで家一つ簡単に買えてしまいますね。
私たちが現実的に購入する対象となるものは、
キロバーや、グラムバー、スモールバー、コインバーと呼ばれる大きさのインゴットです。
キロバー :1kg
グラムバー :500g
スモールバー:300g、250g、200g、100g
コインバー :50g、20g、10g、5g、1g
ただし、金のインゴットを販売する会社がこれらの全部を取り扱っているわけではありません。
例えば、三菱マテリアルを見てみると、下記の6種類だけとなっています。
田中貴金属は9種類ありますね。
海外のブランドだと、1オンスバーや、10オンスバーなどもあります。
やはり国際的に金はオンスなんだと気づかされます。
下のバーはスイスのパンプ社(PAMP)の10オンスバー(311g)です。
裏面には美しいデザインが彫ってありますね。
4. インゴットの価格と注意すべきは手数料
それぞれのグラムのインゴットの価格は、毎日価格が変動します。
インゴットを購入するときは、
税込小売価格 × インゴットのグラム数
インゴットを売却するときは、
税込買取価格 × インゴットのグラム数
で計算した価格です。
ただし、ここで注意を要することがあります。
1kgと500gのバーは税込小売価格のままで購入できますが、
それ以下のインゴットはスモールバーチャージと呼ばれる手数料が1本あたりにかかってくることです。
これは何かというと、要はインゴットを小さくするための加工賃、つまり手間賃です。
スモールバーチャージはインゴットを売却、つまりお店に買い取ってもらうときにもかかってきます。
田中貴金属のサイトで見てみましょう。
「購入の場合」が私たちがお店から購入するのときの手数料、
「売却の場合」が私たちが持っている金をお店に買い取ってもらうときの手数料です。
例えば、100gのインゴット(現在の価格で73万円ほど)を買うときは、16,500円の手数料がかかります。手数料だけで2%近い上乗せを払わなければいけません。
同様に売却時も16,500円がかかるため、売り買い合わせて手数料は4〜5%近くにのぼります。
20gのインゴット(現在の価格で14万円ほど)だと売り買いの手数料は合計で8,800円となり、手数料だけで6%近い上乗せとなり、投資としては無視できない手数料になります。
つまり、500g未満のインゴットは投資効率が悪く、
バーが小さくなればなるほど手数料率が上がり、投資効率はさらに悪くなります。
5. 贈与税対策としての金地金
財産の贈与を行うと、受けとった人は税金がかかりますが、
年間で110万円の基礎控除が認められています。
すなわち、年間で110万円以内の贈与額であれば、税金はかからないということです。
これは相続税対策でもっともよく使われる方策の一つで、
金地金はグラム数の小さいものがあるので、贈与では使いやすいものの一つです。
しかし、スモールバーチャージのかからない500gだと370万円もし、
贈与税の基礎控除の110万円を大きく超えてしまいます。
ですので、贈与税の基礎控除の枠内に収めるためには、今の金価格だと100g以下のインゴットにしなければいけません。
ところが、100gのインゴットを3人の子供に贈与したいと考えると、
100gバー3本分の手数料、すなわち、(田中貴金属の場合だと)49,500円がかかってしまい、かなりの出費となります。
ひと昔前は、金価格が1500円だったので、500gバーが贈与できたのですが、
今は金価格がかなり上がってしまい、
金地金は贈与するにはやや不向きになりつつあります。
6. 結論、金地金は投資対象としてどうなのか?
インゴットの中で投資効率が良いのが、スモールバーチャージを必要としない1kgと500gです。
しかしそれぞれ740万円、370万円と、極めて高額です。
ですので、もともと資産に余裕がある方は1kgと500gをオススメしますが、
初めて金を投資される人にとっては相当に高いハードルです。
ですので、金投資初心者にはぶっちゃけ金地金は購入をやめておいた方が良いと私は思います。
なぜなら投資効率が決して良くないからです。
投資効率の良い金投資は、積立やファンド、ETFなど他にもありますし、
これらは少額からスタートできることがメリットです。
しかし、
どうしても金地金が持ちたいという方は、
事前に良く調べた上で、できるかぎり安い手数料と低いスプレッドのお店で購入するのが良いです。
スモールバーチャージは会社によっても金額が異なります。
田中貴金属では100gのチャージが16,500円でしたが、
三菱マテリアルでは8,250円と、大きく違います。
しかし、自社製のインゴットだと安い手数料で帰るけど、他社製のだと手数料が高くなるというケースもあったりしますので、
インゴットを購入・売却をするときは、検討しているお店に問い合わせをし、金額を見積もることをオススメします。
ただし、間違ってもよくわからないブランドのインゴットや、ブランド表記のないインゴットを掴まされないように気をつけてください。
いかがだったでしょうか。
今回はインゴットというバータイプの金地金について解説しましたが、
金地金にはもう一つ、地金型金貨という金のコインもあります。
次回は金のコインについて解説します。