昨年2020年8月に金価格が史上最高値を付けて以来、金価格はじわじわと下がり続けていました。
これから金価格が大きく上がる様子もなさそうだったので、今年の10月までは金への追加投資は控えていましたが、
(金の少額積立だけは変わらず続けています)
つい最近、金への追加投資を開始しました。
その理由はチャートです。
私は基本的には長期投資なので、チャートを見てテクニカル的に売買することはあまりありませんが、
先週から金価格に上昇の動きがあり、トレンドの転換と見定め、このタイミングで買いを入れました。
200日移動平均線とトレンドラインを上抜け
下は私が見ているチャートですが、
水色の線は200日移動平均線、つまり長期的なトレンドを測るときの移動平均線です。
チャートを見ると、先週から200日移動平均線を上に大きく抜けてきたことがわかります。
5月にも上抜けを試しましたが、下に戻ってしまいました。
しかし今回は私が引いた赤色のトレンドラインを抜けてきましたので、
ここが今後の金価格の上昇の転換になったかなと私は見ています。
ですので、2022年に向けて再度2,000ドルを超えていくことを見越し、金を追加投資しました。
価格が下がるリスクは・・?
それはアメリカで利上げが開始されることです。
先週、金価格が大きく動いた理由は、FRBのテーパリング開始のニュースがきっかけです。
テーパリングとは、中央銀行による資金の市場への投入ペースを絞っていく、すなわち今回で言うと、FRBによる資産購入プログラムのペースを縮小させていくことですが、
テーパリングは金融市場にとってはマイナスです。
しかし株式も金価格は上昇に転じました。
それは利上げに言及がなかったからです。
金価格は金利に敏感に反応します。
特に「実質金利」です。
金を持っていても金利はつきませんので、金の金利は0です。
世の中のお金というのは、たくさんお金を稼ごうと金利の高いところに向かいますので、
実質金利が高くなると金には不利になります。
逆に実質金利が低くなると金は有利になります。
下の方程式は以前の記事にも書きましたが、実質金利の計算式です。
今、アメリカはインフレ率が上がっていますが、FRBは金利(名目金利)を上げるという発表はしませんでした。
なので実質金利がマイナスが大きくなっています。
現在、-1.14%にまでなっていますね。
しかし、インフレが加速してくるとFRBが金利を上げる可能性が高くなり、
FRBが金利(名目金利)を上げるとなったら、実質金利は上がり、金価格は下がると思います。
つまり、アメリカの金利上昇、これが今後の金価格上昇の頭を叩く最大のリスクになる、と思われます。
金は通貨と同時にコモディティ
金価格にとっては金利上昇はたしかに大きなリスクではありますが、
それでも金価格は上昇傾向であると思います。
それは石油や穀物、木材、金属などのコモディティ全体が上がっているからです。
金は金属の中でも希少性の高い金属であり、
かつ、通貨とコモディティという二面性を持っている稀有な金属です。
コモディティ全体の上昇が金価格の下支えをしてくれるでしょう。
今後も金価格をウォッチしながら、追加での投資をしていきたいと思います。