【超基礎編】金価格の上昇要因と下落要因について考える

金価格の上昇

金投資は金の価格の上昇を期待すること

前回、「投資とは中長期的にお金を増やすこと」であり、その投資商品の一つとして金があるとお話ししました。

あたりまえのことですが、金投資はすなわち、

金価格の値上がり(上昇)に期待することです。

つまり今後、金価格が上がっていくであろう根拠が必要になってくるわけです。
その根拠がなければ、金にわざわざ投資をする意味なんてありません。

投資は、お金を託す商品がなんであれ、値上がりする根拠が強いもの、
そして、投資した見返り(リターン)が大きいものにお金を投じるのが鉄則です。

では、金価格が今後上昇する根拠とはなんでしょうか?

その前に、金価格がどのような要因(ファクター)によって上昇したり、下落したりするかを知る必要があります。

金価格の上昇・下落の要因

投資商品はさまざまな要因によって価格が変動しますが、
金価格もそれにたがわず、たくさんの要因によって左右されます。

まずここでは、一般的な要因とされているものを列挙していきたいと思います。


<金価格の上昇要因>

  • 金利の低下
  • 債券価格の上昇
  • 米ドル安
  • 株価の下落
  • コモディティ価格の上昇
  • 公的機関(中央銀行など)の買い
  • 通貨供給量の増加
  • インフレ懸念
  • 世界情勢の不安定(戦争など)
  • リサイクル金の減少
  • 中国、インド、ドバイが好景気

<金価格の下落要因>

  • 金利の上昇
  • 債券価格の下落
  • 米ドル高
  • 株価の上昇
  • コモディティ価格の下落
  • 公的機関の売り
  • 通貨供給量の減少
  • インフレ沈静
  • 世界情勢が安定
  • リサイクル金が増加
  • 中国、インド、ドバイが不景気

初めて投資をする人は、もうこの時点で逃げたくなりますねww

公的機関?
インフレ?
リサイクル?
コモディティ?

さっぱりわからない言葉ばかり・・・。

安心してください。
この内訳は、これからの記事で一つ一つお話ししていきます。
ここで覚えてほしいのはただ1つ!

不況・不安・不信など、世界的に「負」の空気が落ち込んでいるときに金価格は上昇する

ということです。

暗くなればなるほど輝きを増すのが「金」

とはよく言ったものですね。

セオリーどおりに金価格は動くのか?

金価格はさまざまな要因に加えて、金を売買する人たちの思惑が複雑にからみあっていて、
上に挙げた要因によってすんなり上昇したり、逆に下落したりすることはまずありません。
「一般的な要因」と書いたのはそういう意味です。

たとえば、世界で戦争が起きたりすると、
不安心理がはたらいて金にお金が集まり、金価格が上昇したりしますが、
それは一過性で、すぐに元の価格まで下落したりします。

戦争の規模や期間にもよったりするでしょう。

第2次世界大戦のような、世界規模で5年近くにわたる戦争となれば、金価格は長期的にグングン上がっていくと思います。
しかし今後、第1時、第2次世界大戦のような長期にわたる大規模な肉弾戦争が勃発するとはちょっと考えにくいですよね。
今の戦争の主戦場は、陸でも海でも空でもなく、「サイバー空間」に移ってきています。

また、新型コロナ以降、金融市場の様相が一気に変わり、これまでのセオリーどおりに金融商品の価格が動かなくなってきています。
例えば、

米ドルが上昇すると、日本株も上昇し、
米ドルが下落すると、日本株は下落する。

これがこれまでの市場の常でした。
ところが新型コロナ以降、この関係性は顕著に崩れてしまいました。

金価格も同じようなことが起こっており、
これまでは米ドルが下落すると、金価格は上昇ことがほとんどだったのですが、今その逆の動きをしたりしています。

値上がりと値下がりは人間の心理次第!

これらの上昇要因と下落要因は、
「それらがなぜそのように動くのか?」
には理由があります。
が、同時に過去の経験則からきています。

今時代は大きな変化の真っ只中にいます。
それも新型コロナによって急激な変化を求められています。
上昇・下落のセオリーは今後は通用しなくなるかもしれません。

経験則が崩れたとき、立ち返るのは「原理・原則」です。

金価格がなぜ上がるのか?

それは、金を買いたい人が、金を売りたい人よりも多くいるからです。

これ以外に価格が上がる理由はありません。

世界中の人間が金への関心をなくし、
金に対して価値を感じなくなり、
金を必要としなくなれば、
金の価格は下がります。

ただそれだけです。

つまり、
金の価格を決めているのは人間自身であり、人間の心理が価格を形成しているのです。

過去のセオリーどおりにいけば、金利が上がれば金価格は下がります。
しかし、どんなに金利が上がっても、
金を買いたい人が売りたい人を上回れば、金価格は上がります。

これから世の中の人たちが、「金(ゴールド)」を求めるのか?

そこに将来の金の値上がりがかかっているわけですね。

日々の価格の変動に惑わされないで!

投資を始めると、どうしても日々の価格が気になり出します。
初心者あるあるです。

先ほど、金の上昇要因と下落要因を簡単にまとめましたが、
これも意識しだすと、毎日の金価格の変動や経済ニュースがどうしても気になってしまいます。

最後にここで一度、原点に立ち返りましょう。

私たちがするのは金への「投資」です。
日々のよくわからない価格変動があるにせよ、
結果的に長期的に価格が上がっていけば良いのですから、
私たちが大事にしたいのは、「世界の対局的な流れ」です。

これさえわかっていれば、
金を買った後に、明日価格が上がろうが、下がろうか、気にしなくて済みます。

そして、新型コロナ発生以降にできたこの「対局的な流れ」こそが、
今、金投資が最も注目されている理由です。