米NASDAQ上場の中国企業が銅を金と偽って…金業界における世紀の大スキャンダル!?

なんとも衝撃的なニュースがありました。

6月29日、中国のCaixin(財新)というメディアが報じたのですが、

米ナスダックに上場する中国の宝飾品メーカー「Wuhan Kingold Jewelry Inc.(武漢金凰珠宝)」が、
偽物の金の延べ棒を担保にして中国の金融機関から融資を受けていたというものでした。

問題の発覚は、
2020年のはじめ、同社が銀行へのローンの利子の支払いが滞ったため、
金の一部が品質チェックをしたところ、
その金塊は、銅のバーに金メッキをしたものだったということがわかり、
偽装事件として明るみに出たとのことです。


その偽の金塊を本物の金塊と偽っていた量は、な、なんと!

83トン!

7月1日の日本国内の金価格を6,150円とすると、

その額は5,100億円。

そして、その偽の金の延棒を担保に借りたお金が28億ドル(3,000億円)。

金をめぐる詐欺事件は日本でも昔からありましたが、
ここまでの派手な詐欺も見たことがありません。

中国がオフィシャルに発表している金の保有量は、
昨年12月時点で1948トン

今回の事件の偽の金の量が83トンですから、国家備蓄量の約4%相当にあたります。
1企業の偽装としては桁外れですね。

なお、
Kingold Jewelry Inc.が最も調子が良かった2016年は1株15ドルほどありましたが、
事件報道前の6月26日の株価は1.1ドルほど。
報道後の6月29日から株価が暴落し、
本日7月13日で半分以下の0.5ドルほどになっています。

Nasdaqからの上場廃止は免れないでしょう。

ちなみに、
私はこの事件を知るまで、同社の存在すら知っていませんでしたww

この事件による今後の影響は・・?


中国の上海の「上海金取引所(上海黄金交易所)」は、ロンドン、ニューヨークと並んで、今や金の世界3大取引所の一角とされていますが、
今回の事件は、中国の金市場の信頼を一気に失墜させるものだと思います。

金市場のみならず、
中国企業全体も、また、中国自体も疑わざるを得なくなってきます。
ただでさえ、中国は大量のコピー商品が出回る国で、
かつ、著作権などの順法意識が国際標準からして低い国でもありますので、
中国ではよくあることなのかもしれません。
つまり、中国という国家そのものの姿がWuhan Kingold Jewelry Inc.の偽金塊事件という形で投影されたようにも思えてきます。

また、同社は社名にあるとおり「武漢」を拠点とする企業です。
「武漢」といったら、お分かりですよね。
今や世界で知らない人はいない都市です。

COVID-19の発生については、陰謀論も含め、いろんな説が流れていますが、
中国がいくら陰謀説を否定しても、それを信じることはできなくなってしまいますよね。


今後、金投資をする上で、
特に、金貨や金のバーなどの現物に投資をする際、

どの国が発行している金か?
どの業者が取り扱っている金か?

は、重要な基準になりそうです。

特に金は高額ですから、
みなさんも偽物をつかまされないように十分に気をつけましょう。