米情報解析企業のパランティア・テクノロジーズが、2021年8月に5,070万ドル(55億円)相当の100オンスの金塊を購入したと、決算報告書で明らかになりました。
また、今後は金やビットコインなども決済手段に加えるとも言っています。
以前、米電気自動車のテスラが、ビットコインを大量に購入し、
同時に投資対象に金や金ETFも加えるというニュースをお伝えしましたが、
それと同じような流れですね。
金を購入した理由について、
パランティアのCOOがブルームバーグの取材に対し、
「ブラックスワン現象が多発する未来に備えなければならない」
と述べています。
ブラックスワンとは、
全く予想外の出来事が発生すると、確率論や経験、常識が通用しないため、社会や市場に極めて大きな衝撃を与えるとする理論。
オーストラリアで黒い白鳥(ブラックスワン)が発見され、それまでの「白鳥は白いものしかいない」という常識を打ち破った出来事が由来となっています。デリバティブ・トレーダーの経験がある米国の認識論研究者、ナシーム・ニコラス・タレブ氏が提唱しました。
大和証券のホームページより
世の中の変化が急激すぎて、これまでのセオリーが通用しなくなる中、
資産も多様性が重要になっているということですね。
パランティア・テクノロジーズとは
パランティア・テクノロジーズ(Palantir Technologies Inc)を知らない方も多いと思いますが、
CIAのベンチャーキャピタルが資金を拠出し、ペイパル創業者のピーター・ティールが創業した、いわばCIAお墨付きの企業です。昨年2020年9月30日にニューヨーク証券取引所に上場しましたが、その際の時価総額は150億ドル(1兆6000億円)。
パランティアが世に知られるようになったのは、
2001年9月11日の米国同時多発テロの首謀者とされるアルカイダのトップ「オサマ・ビンラディン」を、2011年にパキスタンで射止めた事件。
同氏を捜しだすのに貢献したのが、パランティアの情報解析システムだったと言われています。
こういうバックボーンもあり、パランティアは色々な意味で注目されている企業ですし、
パランティアの情報解析は優れていることは誰もが認めているので、
この企業がブラックスワンに備えて金やビットコインを保有し、また、決済にもそれらを認めるというのは大変興味深いニュースですし、
今後もパランティアの動向は気になるところです。
パランティアにしかり、テスラにしかり、
世間から注目度の高い先端企業によるビットコインや金の購入、決済手段の導入は、他の企業にも波及していく可能性があります。