昨年12月から金価格は上昇の基調を見せ、
年明けも上昇で始まり、
2000ドルを再び目指すかと思われましたが、
1月6日に1950ドルになったところで頭を打たれ、
3日間でポンポンポンと100ドル近く下落となりました。
なぜ金価格は下落をしたのでしょうか?
トリプルブルーが金価格を下落に
この下落の要因となった直接的な原因は、金利の上昇。
そして金利の上昇をまねいた原因が、トリプルブルーです。
トリプルブルーという言葉はメディアのニュースでもよく取り上げられていたので、わかる方も多いと思いますが、
一応説明をしておくと、
アメリカの大統領・上院・下院の3つすべてを民主党(党のカラーが青)が取ることです。
昨年までは、
大統領が共和党、上院が共和党、下院が民主党となっていましたが、
昨年の米大統領選挙で、バイデン氏がトランプ現大統領を破りました。
そして、大統領選挙と同時に行われた連邦議会選挙で、上院が共和党50・民主党50の同数となり、上院議長を務めるカマラ・ハリス副大統領が民主党のため、実質上院も民主党有利となり、
大統領・上院・下院の3つを民主党が独占した形となりました。
当初、上院は共和党が取ると思われていたため、
上院も民主党が取ったことはサプライズでした。
そして、なぜこのトリプルブルーが金利上昇を招いたのか?
それは、民主党政権になると財政政策をさらに拡大してお金をたくさんばらまくと予想されているからです。
ただでさえ昨年の3月からコロナ禍でお金を刷りまくっていたのを、
さらに増やすということです。
政府が財政政策をうつには国債を追加で発行しなければいけません。
国債を増発すればするほど、当然国債の価値は下がります。
国債の価値すなわち価格が下がり、金利が上昇したのです。
金利が上昇するということは、金利のつかない金にとっては向かい風となります。
こちらのグラフは、2000年からの米10年債利回り(赤)と金現物価格(青)の推移を重ねたものです。
こう見ると、10年債利回りと金価格は面白いくらい逆の動きをすることがわかりますね。
つまり金価格は金利の影響をとても受けやすいということです。
ここは金投資をする上で覚えておくべき重要な点です。
また、金利の上昇はインフレ期待となり、
同時に企業の業績回復による期待から、株価は上がりました。
債券と金が売られ、その分が株式に流れたと考えられます。
短期で下落の可能性、しかし長期では・・
では、ここから金価格はどうなるか?
昨年2020年8月まで金価格は勢いよく上昇をしてましたが、
8月以降、金価格は緩やかに下落をしていました。
そして何度か上昇を試そうとしていましたが、
ファイザーのワクチン開発や、今回のトリプルブルーでガツンと上昇を押さえられてしまいました。
こう見ると、数か月単位では金価格は横ばいか、緩やかに下落を続ける可能性があります。
しかし長期的にみると、変わらず金価格は上昇すると思います。
なぜなら、さらにお金を刷るからです。
流通するお金が増えれば増えるほど、金価格は上昇することは年始1月3日の記事でも書きました。
そして、FRBは2023年までゼロ金利政策を続けると断言していますから、
やはりここも引き続き金価格には追い風となるでしょう。
マーケットに絶対はありませんが、
マクロで見た場合には、金価格が上がらない理由を探す方が難しいと思います。
何度も言っていますが、
短期の価格に振り回されず、
金は長期的に積み立てなどで着々と購入するのがいいですね。