今金融市場では米国のテーパリングがもっぱらの話題です。
テーパリングとは、金融量的緩和の規模縮小を意味します。
2020年の新型コロナの世界的蔓延で世界経済が大打撃を受け、
社会経済の「血液」ともいえるお金を社会に行き渡らせるために、世界の中央銀行は大量の資金供給を行いました。
要は大量の輸血投与。
これによって容体(経済の様子)がようやく安定してきたと見えて、
そろそろ輸血を減らしていこうか?
大量に輸血をしたけど、過剰な血液を回収しようか?
これがテーパリングで、FRB(米連邦準備制度理事会)ではテーパリングの議論が始まっているわけです。
具体的には、毎月の債券購入プログラムの縮小、2年後の利上げの可能性などです。
テーパリングになると金価格はどうなるか?
2020年3月に金融市場が総じて暴落し、その後の政府の財政政策、中央銀行の金融政策によって、新型コロナ前よりも株式市場は大きく上がりました。
金価格も金史上初の2000ドルをつけたわけですが、
これは通貨の価値が下がり、相対的に株や金などの他の資産の価値が上がったわけですが、
今度は単純にそれと逆のことが起きます。
つまり、通貨の価値が他の資産に比べて相対的に強くなるわけですから、
株にも金にも不利になります。
過去を見ても、テーパリング時に金価格の上昇は停滞、もしくは下落をしています。
ですので、ここ1、2年の中期的には金価格は上昇しにくくなると思います。
私も直近で金の積立額を縮小しました。
このあと、一部の金資産の現金化も検討しています。
しかし、金価格は過去50年での年平均リターンで8%です。
個人投資家は長期で資産運用を考えるべきで、
長期的には通貨は流通量が増えて弱くなっていくものなので、通貨は長期的な年平均リターンはマイナスになります。
つまり、資産のほとんどを現金で持っていることは、資産を減らしていくことになります。
また、金は他の資産と一緒に持つことで、資産全体のボラティリティを落ち着かせてくれるという緩衝材でもあり、
今や金は資産運用に欠かせない存在です。
長期的には金資産を保有しながら、金積立を継続していきます。
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