「金積立」と「純金積立」って何がちがうの?

前回は「純金積立」とは何か?
またそのメリットとデメリットについてお話しました。

私は「金積立」を推しています。
ですが正確にいうと、それは
「金商品の積立」です。

「純金積立」ではないんです。

前回もおつたえしたように、
「純金積立」も投資を初めてトライする人にとってはとてもいい商品だと思います。
ですが、今は金の商品ラインナップが広がってきたので、
あえて「純金積立」にする必要はないのかなと感じています。

金商品のいろいろについてはまた別の記事に譲るとしましょう。

じゃあそもそも、投資商品としての「金」と「純金」って何がちがうのでしょうか?

1. 「純金」ってどんな金?

まず「純金」という言葉です。

「純金」とは、純度99.9%の混じりっけなしの金のことで、「24金」と呼ばれるものです。
英語ではFine Gold(ファインゴールド)といいます。

金製品は純度を24分の◯で表すことが一般的で、

  • 24金 = 24/24 = 99.99%
  • 22金 = 22/24 = 91.67%
  • 18金 = 18/24 = 75.00%
  • 14金 = 14/24 = 58.33%

となります。
18金には、全体のうち、金が75%入っており、残りの25%は他の金属(銀・銅・パラジウムなど)が混ざっているので、純金とは呼びません。

2. 純金以外はアクセサリーなどに


一般的に多く見られるのは18金ですね。
18金はアクセサリーなどで使われることが多く、なじみがあるからです。

なぜ18金でアクセサリーを作るのかというと、
純金である24金は、金属として柔らかすぎ、簡単に変形してしまうので、アクセサリーとして使いにくいからです。
金属は混ぜることによって硬く、強くなります。

また、純金はそのまんまの黄金色になりますが、
他の金属と混ぜることによって、色を変えることができます。

例えば、ホワイトゴールドにするには、金に銀とパラジウムを。

ピンクゴールドにするには、金に銅を混ぜたりします。

アクセサリーはデザインと機能性を重視するので、あえて金に他の金属を混ぜて、18金や14金にして使うわけですね。

3. 積立投資の金はすべて24金

投資用の金は、通常18金を対象にすることはありません。
みなさんも写真で金塊や金のバーを見たことはあると思いますが、ほぼすべて24金の純金です。
18金の金塊は見たことがありません。
なぜなら、投資用の金塊やバーにデザインや機能性は必要ないからです。
金塊やバーは形が崩れてしまっても、金の量が担保されてさえすればいいのです。

つまり、投資用の金を積立する場合は、必然的に純金である24金となります。

ですので、「金積立」も「純金積立」も同じものということになります。

4. 商品名は「純金積立」が圧倒的に多い

じゃあなんで「純金積立」という言葉がメジャーなのでしょうか?

日本国内の業者さんたちの商品名を見てみましょう。

4-1. 貴金属会社 系

■ 田中貴金属の純金積立(田中貴金属)
■ マイ・ゴールドパートナー(三菱マテリアル)
■ 徳力の純金・プラチナ積立(徳力本店)
■ 石福プラチナ&純金積立(石福金属興業)

4-2. 証券会社 系

■ 金・銀・プラチナ取引??(SBI証券)
■ 純金プラチナ取引??(楽天証券)
■ マネックス・ゴールド(マネックス証券)

4-3. 銀行 系

■ 純金積立ゴールド「浪漫」(広島銀行)
■ 百十四純金積立(百十四銀行)
■ <つくば>純金積立(つくば銀行)
■ Mr.純金積立(住信SBIネット銀行)

ちなみに、証券会社や銀行の金積立商品の多くは、
自社で金を保管しているわけではなく、
田中貴金属や三菱マテリアルのような大手の貴金属会社が大本の業務を請け負っています。
ですので、証券会社や銀行はあくまで商品の販売をしているだけですね。


いずれも「金積立」ではなく、「純金積立〇〇」「△△純金積立」という名称が多いですね。
商標検索をしても、「金積立」は登録されておらず、「純金積立」という名前で登録されています。

この明確な理由は私もわかっておりませんが、
考えられる理由の一つは、
「金積立」だと金(ゴールド)ではなく、
お金(マネー)の積立だと勘ちがいする人がいるから、
じゃないかと思います。

積立は銀行で「定期積立」という商品もありますし、
混合しないようにしてるのではないか、と。
「純金」と書けば、お金(マネー)と間違えることはありませんから。

あと、もう一つの理由は、
「純金積立」という言葉は、言葉の流れや響きもいいですし、リッチ感があります。

「生クリーム」より「純生クリーム」のほうが新鮮でおいしそうな感じがしますよね。それと同じです。
商品名として売りやすいからこの言葉を使っているのだろうと思います。

「純金積立」の歴史は詳しくないのですが、
1990年代から足利銀行が「あしぎん純金積立ビーナス」というサービスをやっていたようなのですが、
足利銀行のホームページで調べても今は出てこないですね。

ちなみに、この「純金積立」という言葉も、商標の大量出願で毎回問題になるベストライセンスの餌食にあっているようですが、
2020年6月現在でも審査中のままです。

今回の結論を申しますと、

「金積立」も「純金積立」も投資対象は「純金(99.99%)」で一緒

ということだけです。

金投資を始める前に知っておきたい!純金積立のメリットとデメリット

2020年6月30日